分析化学
Print ISSN : 0525-1931
理論α係数を用いるガラスビード法によるニオブ含有スラグの蛍光X線分析
佐藤 幸一伊藤 真二井出 邦和大河内 春乃
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1985 年 34 巻 6 号 p. T57-T62

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抄録

ガラスビード法による組成範囲の広いニオブ含有スラグの蛍光X線分析において,検量線には酸化物合成試料を用い,又共存元素の影響の補正には理論α係数を用いる補正法の適用を試みた.スラグ標準試料を用いて理論α係数の有効性を確かめた結果,各成分において未補正と比較して正確さが向上した.実際試料の組成を考慮して酸化ニオブ(V)(~20%)及び酸化マンガン(II)(~44%)を添加して定量した結果,他成分への影響は認められなかった.本法の実際試料での繰り返し分析精度は相対標準偏差で酸化マグネシウム(3.31%)を除いてはいずれも0.27~0.73%と良好な結果が得られた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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