抄録
海水中のヨウ化物イオン(I-)をイオンクロマトグラフィー(IC)で直接定量するため,分離カラムとしてポリメタクリレート系ゲルを充てんしたIC用陰イオン交換カラム,検出器としてグラッシーカーボン(GC)を作用電極とする電気化学検出器(+1.0Vvs. Ag/AgCl電極)を用いた.溶離液として 0.1M NaCl + 5mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.7)が適正であった.GC電極は0.3Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.7)の流液下,+1.6V(vs.Ag/AgCl電極)で5分間,-1.0Vで2分間の定電位電解を2~3回繰り返し処理した.本法を2種類の海水(瀬戸内海)に適用したところ,共存イオンと分離したI-のクロマトグラムにより,20,32μg/lの測定値を得た.I-の検出限界は 5μg/l(S/N=2)であった.