分析化学
Print ISSN : 0525-1931
前線反応を利用するペーパークロマトグラフィーによるウランの簡易微量定量法
阪上 正信
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1958 年 7 巻 5 号 p. 292-296

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抄録

ウランの簡便な微量定量法としてのペーパークロマトグラフィーを検討,改良し,再現性および感度に望ましい結果を得た.すなわちあらかじめペーパー上に待機させたフェロシアン化カリウムの前線において,酢酸エチルに抽出,上昇してくるウランを逐次反応呈色させ,その呈色線を標準系列のそれと比較し定量する.本法によりペーパー上0.02γのウランも検出し得るので,1gの固体試料または1lの試料水中の10-2~10-6gのウランを定量し得た.なお本法においては鉄,銅その他の妨害もなく,誤差も±30%以内にとどまり,再現性,保存性を確保し得る.ウランの地化学探鉱,鉱床での分布の研究,さらに精密分析の予備手段として有効である.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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