1955 年 46 巻 1 号 p. 47-50
2-Acetylaminofluorene を白鼠(ウィスター系)に与えて, 肝癌を生成する過程における肝の p-Aminohippuric acid 合成酵素の活性度をしらべた。
実験結果を総括的にいえば酵素活性度は肝の病変に応じて極めて鋭敏な態度を示した。すなわち肝の病変の進行につれて階段的に減少し肝癌組織では全くみられなかった。
この酵素はいわゆるペプチッド結合(CO-NH)を合成するのであるが肝の癌性化につれてその活性度が減弱して行くことは興味あることと思われる。