脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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脳梗塞患者に対する再生医療開発
田口 明彦
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2014 年 25 巻 2 号 p. 105-107

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抄録

脳梗塞予防に関しては,降圧薬,抗血小板薬,抗凝固薬などの多くの有効な薬剤が存在し,また脳梗塞超急性期における脳組織の壊死の防止に関しても,血栓溶解療法や血管内治療など有効な治療法の開発が進んでいる.しかし,超急性期以降の脳組織壊死が生じた後の脳機能の再生に関しては,現状でもリハビリテーション以外には確立された治療法がなく,新規治療法開発が切望されている.我々は基礎研究において,脳梗塞後に誘導/動員される神経幹細胞の生着・機能には血管再生が必要不可欠であり,造血幹細胞投与で血管再生・神経機能回復が促進することを世界に先駆けて報告し,さらにこれらの知見に基づき,脳梗塞患者に対する自己骨髄単核球細胞移植の臨床試験を実施してきた.本稿ではそれらの概要とともに,今後の研究の方向性についても言及する.

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© 2014 日本脳循環代謝学会
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