脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
Online ISSN : 2188-7519
Print ISSN : 0915-9401
ISSN-L : 0915-9401
シンポジウム 1 急性期虚血病態を治す/急性期脳虚血病態を診断する
4D-CTA が開く急性脳虚血病態解析の新たな地平
柴田 益成
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 30 巻 1 号 p. 89-94

詳細
抄録

4D-CTA は,造影剤の脳への到達から wash out まで全時相の CTA を撮像するもので,CTA の迅速性・非侵襲性に,DSA の flow dynamics の解析力を併せ持つモダリティとして開発された.従来,4D-CTA は,頭蓋内シャント疾患や出血性疾患の病態解析に用いられてきたが,近年それ以上に期待されるのは急性脳主幹動脈閉塞(ELVO)の病態解析である.当施設では, 64 列の MDCT と shuttle mode を用い ELVO に対する再開通療法の成否に関する以下の決定的情報を得ている.(1)血管閉塞部位,(2)collateral の様式と程度,(3)ペナンブラとコアの推定,(4)血栓の位置,範囲,性状.本稿では, 2015 年 2 月~2017 年 5 月,当施設で施行した 432 件の緊急 4D-CTA 施行例をもとに,急性期脳虚血病態評価における本モダリティの有用性と可能性を提示する.

著者関連情報
© 2018 日本脳循環代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top