2018 年 18 巻 p. 44-57
健康食品に含まれるクルクミンは、微小管の構成要素であるチューブリンに結合し、チューブリンポリマーの形成を阻害することが報告されている。また、分子ドッキングシミュレーションを用いて、αチューブリンとβチューブリンから成るヘテロ二量体へのクルクミンの結合部位が予測されている。しかし、クルクミンとチューブリン間の特異的相互作用は、電子レベルでは未解明である。本研究では、チューブリン単量体へのクルクミンの結合部位を明らかにするため、フラグメント分子軌道計算を用いて、クルクミンと熱帯熱マラリア原虫のαチューブリン及びβチューブリンとの結合特性を電子レベルで解析した。その結果、クルクミンは、既存の微小管不安定化剤と同じ程度の強さでチューブリンに結合し、チューブリンのポリマー形成を阻害する薬として機能する可能性があることが明らかになった。