Chem-Bio Informatics Journal
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可視化されたフラグメント分子軌道(FMO)計算結果のTensorFlowの応用による解釈
齊藤 天菜飯島 潤藤本 真悠望月 祐志奥脇 弘次土居 英男古明地 勇人
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2018 年 18 巻 p. 58-69

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抄録

私達は、可視化されたフラグメント分子軌道(FMO)計算の結果を認識させるために、GoogleのTensorFlow深層学習ツールキットを応用しました。α-ヘリックス、およびβ-シートの典型的なタンパク質構造は、IFIE-mapと呼ばれるフラグメント間相互作用エネルギーの2次元マップにおいていくつかの特徴的なパターンを提示します(Kurisakiら、Biophys. Chem. 130(2007)1)。18個のタンパク質と3個の非タンパク質系を用いて、α-ヘリックスとβ-シートの存在の有無を示すパターンを有するIFIE-map画像を千枚ほど作成し、TensorFlowによる学習を行いました。学習終了後、TensorFlowに新しいデータを与え、構造パターンを認識する能力をテストしました。その結果、テストのIFIE-map画像における特徴的な構造が上手く判定されることを見出しました。以上より、TensorFlowによるIFIE-mapのパターン認識能力が実証されたと言えます。

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