2018 年 18 巻 p. 70-85
私達は、散逸粒子力学(DPD)シミュレーションのための軽量なコードを開発しました。 このFortranプログラムCAMUSには、注目すべき機能が二つほどあります。 一つは、いわゆる隣接粒子リストの生成を省略することで、1ステップ当たりの処理時間を短縮し、さらに粒子数に比例して計算コストがほぼ直線的に増加するスケール性を示す点です。 もう一つは、タンパク質構造を記述するのに重要な付加的な(1-3, 1-5のMorse結合などの)相互作用を容易に導入出来る点です。DPDの実例として、モデルタンパク質を使ってα-helixおよびβ-sheetの形成を示しました。現在、CAMUSはGitHubサイトで自由に入手可能となっています。