循環制御
Print ISSN : 0389-1844
原著
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)における血清アルブミン値の血圧日内変動への影響
安藤 大作安田 元小林 麻裕美金田 朋子吉田 衝未小林 千夏坂 早苗谷津 圭介平和 伸仁梅村 敏
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2009 年 30 巻 1 号 p. 8-18

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抄録

背景:慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)では腎障害と血圧の夜間降圧障害の関連が報告されている.しかし,CKD における血清アルブミン値と血圧日内変動についての報告は少ないため,今回検討した.
方法:進行した腎障害を認めず(血清クレアチニン値<1.5mg/dl),尿蛋白排泄によって低アルブミン血症を合併した CKD 患者を,血清アルブミン値(S-Alb)<3.0g/dlのネフローゼ群と3.0<S-Alb<4.0g/dlの低アルブミン血症群に分けて,S-Alb>4.0g/dlのコントロール群と携帯型血圧計を用いて24 時間血圧を比較検討した.
結果:3 群間で 24 時間血圧には有意差を認めなかった.しかし,平均血圧の睡眠時/覚醒時の比率は,コントロール群(0.85±0.07)<低アルブミン血症群(0.91±0.08)<ネフローゼ群(0.96±0.08)の順で有意に高値を示した(p<0.05 for respective two groups).血清アルブミン値と平均血圧の睡眠時/覚醒時の比率は有意な負の相関関係を認めた(r=-0.58; p<0.001).
結論:CKD 患者では,腎機能障害が進行していない段階から血圧の夜間降圧障害を認め,その程度は血清アルブミン値に相関する.

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© 2009 日本循環制御医学会
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