2020 年 2020 巻 30 号 p. 656-673
公立高等学校の入学者選抜においては,中学生が学習指導要領に基づき,中学校生活3年間で身に付けた学力を検査する必要がある.
現行の中学校学習指導要領(平成20年3月告示)の外国語(英語)及び新学習指導要領(平成29年3月告示)においては,「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」という,いわゆる4技能を通して,コミュニケーションを図る資質・能力を育成することが目標として掲げられている.
しかし,東京都立高等学校入学者選抜の英語検査においては,現在,「話すこと」の評価を行っていない.これは,選抜の当日に全受験者に「話すこと」の検査を行うことが物理的に不可能であることが理由である.
そこで,現在,東京都教育委員会は,英語の資格・検定試験を行っている民間の事業者の知見を活用し,都立高等学校の入学者選抜に「話すこと」の評価を導入することを検討している.ここに,これまでの取組内容等について報告する.