2025 年 21 巻 p. 99-109
本研究は、大学1年生の進学動機および大学生活への意欲と達成がGPAに与える影響を検討し、低単位取得の要因を明らかにすることを目的とした。首都圏近郊における私立大学の新入生426名を対象に、2023年3月と9月に実施した2回の調査データを用い、ロジスティック回帰分析を行った。その結果、総合型選抜入試を経て入学した学生や男子学生が低単位取得のリスクが高いことが判明した。また、授業への出席やノート取りが低単位取得を抑制する要因であることが示された。さらに、進学動機は前期から後期にかけて「社会的地位」や「得意分野」が増加する一方で、「無目的・漠然」も増加する傾向が見られた。これらの結果から、初年次の学習支援および生活支援の重要性が示唆され、学生の多様な動機に対応した支援策の必要性が浮き彫りとなった。