抄録
東京都豊島区を事例地とし、緑化余地への新規植栽によるCO2固定量と、既存街路樹の管理から発生する剪定枝の活用によるCO2削減量を算定し、緑化関連施策のCO2削減効果を評価するとともに、緑化計画への反映方法と課題について考察した。その結果、約18万本の樹木植栽余地が抽出され、これを5ヶ年で植栽する場合、5年後には年間固定量988t-CO2が期待された。街路樹からは年間約22t-dryの剪定枝発生が見込まれ、炭化利用により約16t-CO2の削減が期待された。CO2固定への貢献は屋上緑化が最も大きかった。各種の緑化方策の効果を効率的に算定し緑化計画に反映するには、建物や緑被分布などの地理情報の整備が重要と考えられた。また、算定結果の誤差の表示方法が課題とされた。