EUによるROHS指令などの施行を受けて、有害物質フリー化、特に鉛フリーはんだに対する関心が高い。しかし、鉛フリーはんだは資源枯渇やエネルギー消費量への影響はむしろ増大する可能性がある。従来はんだは回収等により鉛の環境中への放出を抑制できれば、環境影響を大きく低減できる可能性がある。本研究では、LCIデータベースやLCIA手法を駆使して、接合材料のライフサイクルを通じた環境影響について分析した。静脈シナリオによっては、鉛フリーはんだと従来はんだとの間で異なる結論を得ることが示された。現在の家電製品の不法投棄率を対象とした感度分析結果によれば、不法投棄率を現在の1/10以下にしない限り、鉛フリーはんだへの転換を進めた方が環境影響は低いことが示された。