本研究は、交通量の多い車道に挟まれた札幌市創成川緑地を事例として、沿道緑地の遮蔽植栽と周囲を走る車が与える利用者への心理的負荷との関係を明らかにすることを目的とした。3枚一組の組写真を用い、背景の車の有無と植栽形態を変えた計16組のシミュレーション写真について、学生と小さな子供を持つ保護者にその印象をSD法により回答してもらった。因子分析により、総合評価性、静けさ、開放感の三因子が抽出され、総合評価性と静けさについては、車を多く隠す植栽を施すことで評価が高くなった。開放感については、学生と保護者の受ける印象に違いが見られ、学生は遮蔽率を低くすることで、保護者は背景に車がないことで評価が高くなった。