環境情報科学論文集
Vol.21(第21回環境情報科学学術研究論文発表会)
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中国・頤和園における植物の花ことばからみた庭園空間の表現と特徴
章 俊華
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キーワード: 花ことば, 頤和園, 庭園空間
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p. 201-206

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抄録

本研究では,頤和園に生息する植物の花ことばの持つ意味を通して,庭園空間に与えたその場所のイメージの表現と特徴に着目し考察を行った。その結果,松,柏が最も多く用いられ,試練に耐え抜く「節操」,「不老不死」,「長寿永固」の象徴とされ,槐,柳は「招宝」,「たくましい生命力」などの現実的な願いや,陽春の光に満ちあふれるような活力的な庭園空間の表現と特徴を表わしている。桃,竹,丁香,海棠,木蓮,連翹,紫荊,紫藤などで,幸福,長寿,君子,名誉,栄華富貴,子孫繁栄など物質的生活と精神的文明の高度な調和を求めてきた空間を反映している。一輪の花,1本の木を重視し,庭園空間の雰囲気により全体的なバランスを考慮し自然美を再現する。また現実を超越した非現実的理想郷の庭園空間の表現と特徴が見られる。

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© {2007}(社)環境情報科学センター
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