抄録
外来魚オオクチバスの食性と本種が在来魚類に与える影響を解明することを目的として,奥州市胆沢区南部の12箇所のため池を調査した。ため池ごとに本種の食性は大きく異なり,魚類相が豊富なため池では魚類が主な餌であったが,魚類相が貧弱なため池では昆虫類や動物プランクトンを主な餌としていた。また,バスが生息するため池と生息しないため池の魚類相を比較したところ、バスが生息するため池ではモツゴの個体数が有意に少なく,フナ属,ドジョウ,ヨシノボリ属では体サイズについて差がみられた。従って,バスの捕食は在来魚の個体数だけでなく体サイズにも影響し,特にコイ科魚類や底生魚類はその影響を受けやすいと考えられる。