抄録
新潟県十日町市,津南町で広域公共事業として開催されている野外現代アート展「大地の芸術祭 妻有トリエンナーレ」を事例として,作品設置集落の住民への悉皆アンケートを実施し,知り合いの獲得や芸術祭の面白さ,地域での好ましい変化の有無,作品設置による印象の変化,といった事業を評価する4項目が,作品に対する好感や個人的な協力,住民の関わり方,地域内での信頼についての要因と関連があることを明らかにした。それにより,これまで定量的な評価が困難であるために調査研究が行われてこなかった,芸術を用いた地域づくりの特徴を示し,個人や地域に対する効果,住民からの評価を向上させる可能性を示した。