日本調理科学会誌
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楕円振動による包丁研ぎ方法の開発
橋本 賢樹増谷 浩司佐野 弘
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2021 年 54 巻 3 号 p. 141-146

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抄録

 本研究では砥石を楕円振動させて包丁を研ぐ方法を提案し,刃先を摩耗させた包丁を用いて研ぎ実験を行った。本提案方法は,砥石が刃先から離れず,また刃先のすべての箇所で研ぎ終わりが峰から刃先の方向になるので,包丁研ぎの基本を満たすものである。比較のため,直線振動させて研ぎ直す方法による研ぎ実験も行った。各振動方法による研ぎ実験後,包丁の切れ味測定を行い切れ味の改善効果を比較した。その結果,両振動研ぎ方法とも包丁の切れ味改善効果が見られ,特に楕円振動研ぎの方が高い改善効果が見られた。また,切れ味を完全に落とした包丁を用いて楕円振動研ぎ実験を行った。その結果,包丁の切れ味が新品と同等の切れ味に改善された。以上のことから提案した楕円振動研ぎ方法は有効であることが示された。

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