抄録
本研究ではOECD加盟23カ国の化学製品製造業を対象に1995年から2006年にかけてCO2排出量を考盧した生産性分析を行う。分析方法にはDirectional Distance Function を適用し,生産性の推移とCO2排出量の潜在的削減可能量の推計を行い,国別に比較した。分析結果より,CO2排出量を考慮した生産性は1998年から2005年にかけて上昇しており,上昇の要因は先進的な技術を持つ国による技術進歩の達成が挙げられる。一方で,旧共産圈の国では生産性が悪化していることが明らかとなった。