抄録
ビオトープ「いのちの森」の開園からの14 年間で発生した菌類は45 科300 種で,担子菌類が283種,子嚢菌類が17 種であった。その内,地上生菌類は186 種で,開園から2 年後の1998 年度から増加を始め,発生種数は開園から5 年後の2001 年度にピークに達した。発生時期は概ね5 月~7 月と9 月~12月であった。公園開設初期には,キツネタケモドキ,ヒメワカフサタケおよびヒメカタショウロが多数発生したが,開園から11 年が経過した2007 年度以降急減した。一方,種数からは,公園開設初期にアセタケ属の種が多く発生し,開園から4 年後の2000 年頃から遷移後期に発生するフウセンタケ属,ベニタケ属が多く発生した。これらのことから地上生菌類相は14 年間に遷移初期が終わり後期への移行が確認された。