抄録
本研究では,環境効率指標を用いて,廃棄物,エネルギー消費,有害化学物質を対象に,エコタウン都市の川崎市における産業部門別,環境負荷別の環境効率を算出し,国との比較を行う。地域産業の特徴を明らかにし,地域産業の環境効率に影響を与えた要因の分析を行った。その結果,川崎市の主要産業の石油・石炭製品業では全ての環境負荷について,化学製品業ではエネルギー消費及び有害化学物質について全国を上回る環境効率であった。一方,運輸業などの中堅産業の環境効率は全国を下回る傾向にあることが判明した。さらに,川崎市の産業全体の廃棄物と有害化学物質の環境効率が全国を上回る一方,エネルギー消費が全国水準以下にあることも判明した。