抄録
本稿では,踏切の一時停止廃止による CO2排出量の削減効果を検討するために,一時停止,徐行,踏切の遮断の条件を変えた4つのケースについて踏切条件(交通量と列車間隔)を変化させた場合の CO2 排出量の削減率を算出し,次の2点を明らかにした。第1に,現状の排出量と比べて,一時停止無・徐行有では,交通量 300 台/h 以上で列車間隔3分未満の踏切で 10%以上の削減率が見込める。一時停止無・徐行無では,全ての条件で 20%以上の削減率が見込め,最大で 67%以上の削減率が見込める。第2に,一時停止廃止が有効となるのは,列車間隔3分以上の踏切で一時停止無・徐行無を行った場合である。 この場合,立体交差化した場合の削減率の 80%以上削減できる可能性を示した。