抄録
カエルに代表される陸上移動を行なう生物に対して,移動阻害とならない農業水路を検討するためには,水田を利用するカエル類の運動能力を加味した検討が必要となる。本研究では,ニホンアマガエル,トノサマガエル,ヤマアカガエル,ツチガエルを対象に,水平跳躍力・垂直跳躍力の計測を行なった。 水平跳躍力ではヤマアカガエル(980mm)が,垂直跳躍力ではトノサマガエル(450mm)が最も優れた値を示した。各種の跳躍能力を明らかにし,併せて各種の移動を阻害する水路規模が示された。コンクリート化された水路は,産卵時の成体の移動だけではなく,300*150mm の小規模水路においても亜成体の拡散時に,強い移動阻害や個体損失の要因になっていることが考えられた。