抄録
本研究は,農業分野で開発中の気候変動緩和技術を,技術データを基に評価し,その結果から更なる研究開発に資する情報を抽出し,開発者にフィードバックする方法を提案する。検討から,農家の収益に関する私的費用便益比,温室効果ガスの単位削減費用,そして技術の適用可能面積を評価指標に設定した。開発中の技術のデータからそれらの指標値を求め,技術間の比較を行ったところ,炭素貯留の安定性,緩和技術としての効率性,私的利益を誘因とする普及可能性,そして技術の潜在的導入規模という視点から技術を特徴づけるとともに,開発の課題をフィードバックできることが示された。