主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 183-188
近年急速に普及するトレイルランにより,混雑日におけるハイカーとランナーの登山道の共用上の問題が発生している。本論文では共用問題の実態,およびそのメカニズムをアンケート調査によって明らかにした。その結果,登山道の空間条件が厳しいことや,利用密度が高く,利用者の行動が阻害されるといった要因は,共用問題の主な内容であるすれ違い時における接触や衝突を引き起こし,さらに利用上の快適性も引き下げるということが明らかとなった。今後,多様化する国立公園を管理する上で,特に問題発生の可能性が高い条件下においては利用をコントロールする対策が必要である。