抄録
本研究では,事例として富士山保全協力金制度を取り上げて,①登山者の属性と意識,行動を把握した上で,富士山保全協力金の支払行動を規定する因子を明らかにすること,②協力率向上のための方法論について考察すること,の2点を目的とした。研究結果から,富士登山者には20-30 代の比較的若い世代,初めての登山者が多かった。また,富士山保全協力金の支払行動を規定する重要因子として,制度の目的の認知度,協力金受付場所の視認性と係員の声がけが抽出された。協力率の向上にむけては,情報提供,協力金を収集する現場の管理などが重要と考えられた。