主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 293-298
本研究は長崎県対馬市のシイタケ原木林を対象に,シカ食害よるブナ科落葉樹株への影響を評価したものである。対馬市のシイタケ生産は萌芽更新によるコナラ・アベマキの再生産に依存してきたが,近年シカの増加によって伐採株の萌芽に対して顕著な食害がみられ,伐採株が枯死する例もみられる。本研究では伐採からの経過年数の異なる原木林における萌芽枝数や食害痕と活力度との関係を,二項ロジスティック回帰分析を用いて分析し,防獣ネット設置の時期を決める指標として,萌芽枝幹部への食害痕が有効であることを見出した。