抄録
地域内規模のバイオマスエネルギーシステムとして,未利用バーク材などの湿潤木質バイオマスを燃料に用い熱と蒸気を椎茸栽培ハウス群に供給する日量20t 規模のバイオマス熱供給システムを対象として,熱物質平衡モデルを作成し,熱力学的視点からシミュレーションによる予測性能の評価を実施した。熱供給と並行して余剰熱で乾燥チップ燃料を生産する点に特徴を有する本システムに対して,「木質エネルギー利用率」および,「システムエクセルギー効率」といった指標を用いて評価を行った。ボイラ高温排ガスを使い,含水率が60%と高い湿潤バイオマスを乾燥させ,これをボイラ燃料として温水熱供給をする運転では,エネルギー効率が最大68%と非常に高い予測結果を得た。