本研究の目的は,台湾における小学校の環境教育と児童の環境意識の関係性を明らかにするための基礎的知見を得ることにある。そのため,苗栗県の小学校を事例に,1)環境教育の実態に関するヒアリング調査,2)児童の環境意識に関するアンケート調査,3)共通した環境教育の実施後に伴う児童の環境意識に関するアンケート調査を実施した。その結果,各学校の授業実施区分と年間授業時間によって3 つの特徴的なパターンを抽出することができた。また,学校環境教育の違いは,児童の環境意識に影響を与えていること,同じ環境教育を実施しても,学校環境教育が充実している小学校では,児童の環境意識向上に相乗効果が得られていることを明らかにした。