幼少期の自然や生きものに触れる経験が,その後の野生動物に対する好悪にどう影響するかを,視覚障害者を対象とするアンケート調査から検討した。全国の視覚障害者団体に依頼し,96 名の視覚障害者から回答を得た結果,野生動物に対する好悪は,好き5 割,嫌い(苦手)4 割,興味なし1 割であった。回答内容を分析した結果,4~8 歳当時の自然や生きものに触れる経験が,野生動物の好悪と関連していた。また,視覚障害による認識不足が野生動物の嫌い(苦手)に影響していた。 本調査結果は障害の有無にかかわらず幼少期に自然や生きものに親しむ経験の重要性を示唆し,さらには障害に伴う認識不足を補う手立ての必要性を示すと考察する。