主催: 一般社団法人環境情報科学センター
会議名: 2019年度 環境情報科学研究発表大会
回次: 33
開催地: 日本大学会館
開催日: 2019/11/27
p. 169-174
本研究では,里地里山の伝統的資源利用の一例である能勢町のクリ林を対象に,現状の分布と管理実態を明らかにし,今後の保全のあり方を探った。調査の結果,能勢町では山裾の斜面地を中心に,現在も積極的な管理がされていることを確認した。また,管理程度の大きい栽培者は,積極的に販売を行っており,収益性が確保されていた。しかし,今後の栽培意向では積極的な意見は少なく,栽培者にとってクリ林のもつ価値への認識は高くないことがわかり,今後は放棄林が拡大する可能性も示唆された。能勢町のクリ林を保全するにあたり,収益性を高める取組みと,町内外へのクリ林の価値認識の普及が重要であると考えられる。