環境情報科学論文集
Vol.33(2019年度 環境情報科学研究発表大会)
会議情報

急性循環器疾患の発症リスクと気象・気候変化との関係性について
*大橋 唯太
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 301-306

詳細
抄録

気候区分を考慮した9つの政令指定都市を対象に,2010~2017 年8年間の気象・気候の変化と急性循環器疾患の死亡率との関係を調べた。月平均気温を因子と考え,7種の心疾患・脳血管疾患の年齢調整死亡率の増減を説明した。夏と冬の月に死亡率の上昇する特徴が特に心疾患で明瞭に現れたが,日本海側・北日本の都市は太平洋側・西日本に比べて傾向が鈍かった。年による夏と冬の気候の違いも,その年の死亡率に影響することが明らかとなった。冬は厳冬の年になるほど全疾患で死亡率の上昇が現れた一方,夏は猛暑の年ほど心筋梗塞や脳梗塞といった血液の流れ・血栓に関係する疾患で上昇がみられた。月平均気温は,これら疾患リスクの情報に有用である。

著者関連情報
© 2019 (社)環境情報科学センター
前の記事 次の記事
feedback
Top