環境情報科学論文集
Vol.34(2020年度 環境情報科学研究発表大会)
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研究論文
シギ・チドリ類(アンブレラ種)を指標とした谷津干潟における生態環境の状況解析
生方 真奈村上 和仁
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p. 145-150

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抄録

アンブレラ種であるシギ・チドリ類を指標として,谷津干潟(船溜り・三角干潟)の生態環境の状況分析を行った。生態環境状態指数(ECIeco)によると,夏は赤潮,青潮が発生し,全地点で生態環境が悪化したが,三角干潟では秋季から冬季にかけて生態系状態が回復した。シギ・チドリ類は,水質の指標である付着珪藻と底質の指標である底生生物の要素を含む生態環境状態指数 (ECIeco)との関係があることが示唆された。さらに,ハマシギCalidris alpina は地盤高と関係があることが示唆された。以上のことより,谷津干潟のアンブレラ種であるシギ・チドリ類の飛来数は,赤潮や青潮の発生により引き起こされる下位生態系の損傷の影響を受けていると考えられた。

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