近年,建築物や社会基盤施設の老朽化が課題となっており,限られた人的資源や財源によってこれら物質ストックを計画的に維持管理・更新していく必要がある。本研究では,全国の下水道管渠を例として,管渠の健全度及び人口予測に基づき将来退蔵化するリスクを検討した。推計結果から,全国の下水道管渠ストック量は2018 年に115 百万t であり,改築が必要な老朽管渠の割合はコンクリート管,塩ビ管でそれぞれ29%,13%であった。退蔵化リスクは北海道,奈良県,山口県,宮崎県,鹿児島県で高く,これらの地域では特に将来の経費回収率の低下や労働力不足を踏まえた計画的な対策が必要であると示唆された。