本研究では地熱可能性のある103 自治体に対して質問紙調査を行い,地熱施策の現状・意向の傾向,便益/リスクに関する認識との関係を分析することによって,今後の地熱開発の意向と関連要因を明らかにすることを目的とした。この結果,回答した自治体の約2 割が地熱開発に積極的な意向を示し,これまでの地熱関連の具体的な政策との関連があった。また,自治体の意向と便益やリスクに関する項目との関連を分析した結果,地域のエネルギー自給による便益や富の域外流出に関するリスクといった「地域の自立性」が関連することが明らかとなり,地域主導による地熱開発が自治体の積極的な意向につながる可能性が示唆された。