本研究は,北海道の全自治体を対象としたアンケートの結果から,各自治体がヒグマをめぐる環境教育をどう実施しているかを把握することを目的としたものである。129 自治体から得た回答を分析した結果,ヒグマが生息している自治体においては,ヒグマ対策という政策課題を高く設定していた。しかしヒグマが生息していない自治体ではヒグマに関する政策課題の重要性は低かった。ヒグマと住民との関係が課題であると認識している自治体では,ヒグマに係る環境教育に取り組んでいる割合も高いが,環境教育の内容では未だ不十分さが見られることも明らかになった。