本調査は,日本とマレーシアの大学生を対象に,路上ごみポイ捨ての発生理由と改善方策に関する認識の比較分析を行い,両国のポイ捨て認識に対する共通点・相違点や特徴を明らかにすることを目的とした。自由記述回答データを用いたテキストマイニングの結果,ポイ捨て発生理由は,両国ともにごみ箱の不足に対する認識が高いことが認められた。また,日本では実践活動により路上ごみのない環境を保つこと,マレーシアでは教育により一般市民の意識向上がそれぞれポイ捨て防止に重要な役割を果たすと認識していることが示唆された。考察では以上の分析結果により,ポイ捨ての発生と改善に対する認識が社会文化的差異に関連している可能性を検討した。