本研究は,洪水災害による重複被災に着目し,「被災者」の立場から被害と避難の実態と課題を示すと同時に,「支援者」の立場から,生活復興に向けた体制構築の方法,構造を明らかにすることを目的としたものである。分析の結果,本対象地域においては,1 度目と2 度目の被災の間において居住者の避難行動に明確な変化が見らなかったほか,自力復興に係る再建支出額の増大が見られた。また両災害の間には,新型コロナウィルス感染症の蔓延に伴う域外からの災害ボランティアの大幅な減少がみられたが,保健福祉部局を含む「行政」,災害ボランティアセンターを運営する「社会福祉協議会」,専門支援系「NPO 等」の三者による情報共有を目的とした被災者支援会議が継続的に開催され,町内に設置された支援拠点を基盤として,被災者支援活動が展開された。