抄録
日本の農村地域では人口減少が課題となっているが,一方で,移住者も増加しており,その移住者による起業も増加している。本稿では,過疎地域・一部過疎地域に指定される市町における移住起業について,GISを用いた空間的な視点から,その立地条件を分析した。その結果,過疎地域においても,中心地では移住者による起業が発生しており,また,どの業種でも起業が発生していた。一方で,過疎地域の中でも,より条件不利な周辺地域においても起業が生じており,業種別で見ると,宿泊業や飲食サービス業が含まれており,それぞれの業種により特徴があることが明らかになった。