抄録
本稿は、地域に根ざした政策対話において、参加者の「セルフ・オーサーシップ」が関与に与える影響を検討する。セルフ・オーサーシップとは、対話に貢献する正当性や能力、責任を自らに認める内的認識を指す。福島県で実施された「1F地域塾」第11回セッションの参加者51名を対象に質問紙調査を行い、発言、共感、学び、熟考の4指標で関与を測定した。分析の結果、自己主体感は共感や熟考といった内面的な関与と有意に関連していたが、知識獲得とは無関係であった。また、再参加の意欲は自己主体感よりも権力非対称性との関連が示された。これにより、対話設計においては構造的条件だけでなく、内面的な認識も重視すべきであることが示唆される。