2010 年 64 巻 1 号 p. 265-271
セメント分野における地球温暖化問題の対策の一環として、製造時に温室効果ガスの主要因とされる二酸化炭素を多量に排出するセメントクリンカーの使用量を減じることは非常に効果的な手法であると考えられる。本研究では、環境負荷低減を目指しながらも、従来の普通ポルトランドセメントと同等以上の物性を有し、さらに高付加価値を有する“低収縮型高炉セメントA種”を開発し、その硬化性状、ひび割れ抵抗性について検討した。その結果、低収縮型高炉セメントを用いたコンクリートは普通コンクリートと比較して、圧縮強度が同等であっても、ひび割れ抵抗性が向上することが分かった。