2010 年 64 巻 1 号 p. 272-279
スラグ細骨材を混入することにより、コンクリート強度(バルク部)と同様に打継ぎ界面の力学特性値が向上する理由について、破面解析的考察を行い、下記の三つのメカニズムによることを明らかにした。
(1)スラグ細骨材が潜在水硬性を有するため、スラグ細骨材の付着力を向上させる。また混練時に破砕したスラグ微粉末が水/粉体比を下げると共にCH(水酸化カルシウム)を消費する。
(2)スラグ細骨材の機械的アンカー効果が高く、破壊エネルギー向上に寄与する。
(3)後打ちコンクリートの打設後に、ブリーディング水が先打ちコンクリート面を伝って、上昇するため打継ぎ界面にCH層が生じるが、スラグ細骨材の潜在水硬性が有効に作用する。