本研究では、アンカー筋によって補強された外側耐震補強コンクリート接合部のせん断耐力に及ぼすアンカー筋の埋込み深さと既存・補強接合面の凹凸形状の影響について検討を行った。その結果、補強部の浮き上がり量は、接合面に凹凸がある場合はアンカー筋の埋込みが浅くなるに従って増大するが、接合面がフラット面の場合はアンカー筋の埋込み深さと明確な相関を示さないこと、接合部のせん断耐力に及ぼすアンカー筋の埋込み深さと接合面の凹凸形状の影響は、式[1]~[4]によって比較的良く説明できること、接合面がフラット面の場合は全体的に延性的な荷重-滑り量関係を示すこと、などが明らかとなった。