本研究はDEF膨張の発生メカニズムと関連して、エトリンガイト自体の脱水・再水和に着目し、水分子の挙動とそれに伴った構造的変化を検討することを目的とした。その結果、80℃12時間以上の加熱によって構造中のSO42-と結合する水分子が脱離し、XRDにおける非晶質化(メタエトリンガイトへの変化)が生じた。また、メタエトリンガイトを再水和した際には、R.H. 15%前後で水蒸気脱離曲線が急落し、再水和後に生成したエトリンガイトの水和物密度の低下が生じた。このことからメタエトリンガイトの再水和後に生成したエトリンガイトにおいては、構造中に層状構造あるいはnmスケールのインクボトル型および閉塞された空隙が存在する可能性が示唆された。