セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
ガンマ線環境下にある早強ポルトランドセメントペーストの中性化に関する研究
石川 俊介丸山 一平栗原 諒江藤 淳二
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2017 年 71 巻 1 号 p. 240-247

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抄録

ガンマ線照射が早強ポルトランドセメントペーストの中性化に与える影響について、相組成と微細構造の観点から検討を行った。その結果、非照射環境下での中性化では主にカルサイトが析出したが、ガンマ線照射環境下ではC-S-Hがより多く中性化し、主にバテライトが析出することを確認した。微細構造の観点では、非照射環境下に比べガンマ線照射環境下で進行する中性化ではキャビテーション量が少なく、照射サンプルの水蒸気脱着過程では、照射前に確認される急激な脱着量の変化が40%RH近傍で確認された。これらはいずれもC-S-Hのラジオリシスが生じてバテライトが形成する場合には、元のC-S-Hと同様の構造が保存されることを示唆している。

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