2017 年 71 巻 1 号 p. 323-330
練混ぜ水に海水を用いた海水練りコンクリートのアルカリシリカ反応による膨張を抑制するため、高炉スラグ微粉末をセメントの一部に置換し、その抑制効果について検討した。アルカリ溶液を含む不織布でラッピングしたコンクリートプリズム試験(AW-CPT)を3年間実施した結果、高炉スラグ微粉末を40%以上置換した海水練りコンクリートでは膨張が確認されなかった。このメカニズムとして、高炉スラグ微粉末が生成した水和物のCa/Si比がセメントから生成される内部生成物のそれよりも低いことによるアルカリ固定能の増加が考えられた。また、実験結果や熱力学相平衡計算等の結果を基に、海水練りコンクリートにおけるASR膨張抑制のための高炉スラグ微粉末の置換率設定法について考察した。