2017 年 71 巻 1 号 p. 478-485
側鎖の形態を考慮したポリカルボン酸系分散剤(PC)の吸着モデルを構築し、同モデルを用いて炭酸カルシウム及びα-Al2O3吸着媒に吸着したPCの形態に対する液相中のCaイオン濃度及びPCの化学構造の影響について検討を行った。その結果、液相中のCaイオン濃度の増加に伴い側鎖の占める平面範囲が減少し、液相方向に対して側鎖の伸長が助長される形でPCの形態変化が生じている。側鎖の短いPCに関しては、側鎖同士が疎水的な相互作用により2層に吸着することで、PC単分子による吸着よりも厚い吸着層厚を示した。