2017 年 71 巻 1 号 p. 48-55
本研究はC/S比2.0の非晶質C-S-Hから高活性のβ-C2Sを得ることを目的として、共沈法によりC-S-Hを合成し、C-S-Hを600℃で焼成した試料および、焼成試料を水和させた際の生成物を分析した。その結果、C/S比2.0を目標として合成したC-S-Hの、液相組成から計算した固相の平均C/S比とXRFによる値は、それぞれ0.9、1.2程度と低くなったが、600℃で焼成した際には、Wollastoniteに加えβ-およびα-C2Sの生成が確認された。以上のことから目標C/S比2.0で合成したC-S-H中には、C/S比1.0程度および2.0程度のC-S-Hが共に生成した可能性が示唆された。また、得られたC2SのBET比表面積は高活性β-C2Sの文献値と同等であり、既往の報告と同様に水和後にCHが生成しなかったことから、高活性のC2Sが得られた可能性が高いと結論づけた。