2017 年 71 巻 1 号 p. 501-508
粒度調整セメントを用いた高強度繊維補強コンクリートで作製した鉄筋コンクリートはりについて実験を行った結果、せん断スパン比が0.75と極めて小さく、せん断補強筋を全く配筋しなくても、軸方向鉄筋の破断を伴う靭性の高い曲げ破壊した。軸方向鉄筋の補強効果はその引張耐力に依存し、急激な耐力低下は鉄筋が破断するまで生じなかった。これは、コンクリート自体の変形追随性が大きく、せん断破壊しなかったことによると推定された。その結果、軸方向鉄筋による補強のみで、橋梁支承構造に適用できる履歴減衰を有するコンクリート充填鋼管ストッパーを開発できる可能性が示された。